俺様副社長に捕まりました。
翌日、私は寝不足の顔で朝食を食べていた。
何も知らない水沢さんは相変わらず黙々と朝食を食べていた。
もちろんいま目の前にいる水沢さんは髪の毛をきちっと整えてメガネもかけていない。
無表情なところもいつもと変わりはない。
ご飯を食べながらチラ見しては昨夜の水沢さんと今の水沢さんを比較した。
たしかにレンタル屋で会う水沢さんに対して私は
ちゃんと整えたら絶対かっこいいと思ってた。
でも・・・喋り方は全然違う。
声だってちょっと違う。目の前の水沢さんの方が声が低い。
でも共通する点はある。

同一人物なのかそれとも本当に偶然似てただけか
聞きたい事は喉まで出かかっているのに口を開こうとするとストップがかかる。

万が一この人が同一人物だったら・・・私はどうしたいんだろう。
どんな結果だったら私はいいのだろう。
整理つかないまま私たちは東京へ帰った。
そして私は家政婦としての生活に戻った。

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