俺様副社長に捕まりました。
「もしかして水沢さんもこれを借りに?」
私は手に持ったDVDを見せた。
水沢さんは首を横に振った。
「俺はまだそこまでいってない。俺はこ~れ」
彼が手に持っていたのは10年前ヒットしたアメリカの恋愛ものDVDだった。
「それ・・私も知ってる。男と女の友情は成立するのか?っていう内容じゃない?」
「ま~そんな感じだね。・・・で?今日はどうすんの?」
いつもそうだけど約束しているわけじゃない。
だけどレンタル屋に行くと彼と会う確率が非常に高い。
で、会えば向こうからご飯を誘われる。もちろん断ったことないけどね・・・・

結局いつものように行きつけになった居酒屋に行くことになったのだが
こうやって向かい合って彼の顔を見ると
本当にあの時の水沢さんに激似だった。
でもね・・・引っかかる点もいくつかある。
家政婦として働いて数ヶ月になるが目の前にいる水沢さんが着ているような服を
一度もあの家で見たことがない。
今着ているパーカーとジーンズ・・・これだって見たことがないというか
そもそも水沢さんのクローゼットにカジュアルという言葉は皆無だ。
スーツとシャツばかりでいつリラックスするのだろうと思うくらいだ。

だけど・・・・すごく似ている
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