最後の恋にしたいから
空は澄み渡ってキレイだ。

日差しもだんだんキツくなり、夏が近づいている感じがする。

デート日和……。

しみじみ思っていると、時間通りに車がやって来た。

「おはよう」

運転席から顔を出した課長は、優しい笑顔を浮かべている。

その笑顔に、私も笑みを浮かべて返した。

「おはようございます」

促されるまま助手席のドアを開け乗り込む。

プライベートの課長の服はラフで、白いシャツに黒いパンツスタイルだった。

そのシンプルさが、彼の男前度をさらに上げている。

シートベルトを締めたタイミングで、課長は車を走らせた。

「奈々子の服は、日頃から見慣れているつもりだったけど、今日はより女の子ぽいな。新鮮な感じがする」

「えっ? そ、そうですか?

自覚はあるけど、口に出されると恥ずかしい。
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