ぺピン
指で画面をタップすると、
「もしもし?」

恭汰は声をかけた。

「先輩ですか?」

驚いた様子の京香の声が、電話越しに聞こえた。

「ああ、そうだけど…」

そう言った恭汰に、
「やっぱり、会社だったのね…」

京香の呟いている声が聞こえた。

「えーっと、ごめんね?

デスクに置いてあったんだ」

恭汰が言った。

「そうですか」

そう返事をした京香に、
「ケータイ、どうすればいいのかな?

このまま上杉さんのデスクに置いておけばいい?」

恭汰は聞いた。

「それは困ります」

困ったように答えた京香に、
「そうだね…」

恭汰は同意することしかできなかった。
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