小宮の隣・俺のモラル
複雑な心境

昼休み食堂に足を運ぶと、小宮と彼女が話している姿を見て、俺は少し動揺する。
小宮は、モテる男だし少し気になった。
あえて、気づいていない振りをしたが、小宮に声を掛けられる。

「由希ー!昼飯一緒にしよーぜー!」

小宮の隣にいる彼女は、ニコニコしている。

「あぁ。…ところで、何話してたんだ?仲良いんだな。」

角が立つ言い方をしてしまった。

「あー。可愛い子だったから、つい!」

小宮は、いつもの調子で話す。

「お前なぁ…。」

発言が軽すぎて苛立ちを隠せない。そもそも、俺の彼女だってことを知らない。俺がいつも通りの態度でなければおかしい。

「あの!濱村さん?違うんです!相談に乗ってもらってただけで…。」

「えぇー。本当のこと言ったらつまんないでしょ!てか2人知り合い?」

ニコニコ笑って反応を楽しんでいるように見える。

「何回か顔合わせたことあるけど…てか小宮ぁ…お前さぁ……真面目に彼女作れよ?モテるんだろ?」

会話を変える。

「俺は、いいんだよ。遊んでる方があってんだろ?」

小宮の顔から笑顔が消えた気がした。
……気のせいか…?

「小宮……?」

「つーか!飯食べよう!冷めるし。」

今度は笑っている小宮。
何か引っかかったが、今は聞かないでおこう。

そんな不思議な気持ちを持ったまま午後の仕事に戻った。
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