チョコレート王子と甘い恋。

屋上の扉を開けると案の定そこには雅くんがいた。


「緩菜ちゃん、ごめんね呼び出して」

「ううん、大丈夫だよ」



なんだろう……なんかきまずい。
やっぱり告白された相手だからだよね。



「……でさ、返事……なんだけど…」



そうだ、言わないと。



「えっと……気持ちは嬉しいんだけど、
雅くんの気持ちには答えられない……」

「うん」

「だから、ごめんなさい……」



頭を少し深くさげた。



「緩菜ちゃん顔あげて」

「………」

「振られるのなんて初めから分かってたことだから気にしないで」

「え?」

「だって緩菜ちゃん転校してきた時、
皆に彼氏いる?って言われて好きな人はいるって答えてたじゃん」



……あたし、そんなこといってたっけ?



「その好きな人ってのも想像出来てる」

「雅くん」

「チョコレート王子………柊廉斗だろ?」



どうして雅くんがしってるの?
まさか花梨が?
いや、花梨は勝手にそんなことするような子じゃないし……
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