チョコレート王子と甘い恋。

「かか、緩菜ちゃん……どうしたの、その格好……」


廉斗くんはあたしから視線をずらして顔を真っ赤にした。


だけどそれに負けないくらいあたしの顔は真っ赤だろう。



「パ、パジャマ……忘れて…」



どうしよどうしよ。早くパジャマとってお風呂場戻って着替えないと。





『お風呂上がりにバスタオル巻いて柊に抱きつくの。そんでそのときに上目遣いちゃんとしな!』




花梨の言葉をふいに思い出す。


そんなの絶対嫌だし、無理だけど……
今の状況に身を任せたら……
なんとかなるかな……?




……よし、緩菜、やるのよ!!




「れ、廉斗……くん!!」


ベッドに腰おろしてる廉斗くんに合わせるように床に膝をつけて上目遣いの形で
軽くぎゅっと、抱きしめた。



「……緩菜、ちゃん」



死ぬほど恥ずかしいし。
だけど、少しは女として見てくれてるよね?


だけど廉斗くんの反応は想像とはほど遠いものだった。

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