嘘でも良い
エピローグ








☆夏月side☆





あたしと月更くん改め、彷徨くんは付き合うことになった。

まさか嘘で恋が始まるとはね。

嬉しかったけど、恥ずかしさもあった。




あたしは彷徨くんから全て聞いた。

声を失った原因も。

ムーンになった経緯も。




<僕なんかで良いの?>

「彷徨くんじゃないと嫌だ」

<嬉しいこと言ってくれるね>





彷徨くんは優しい。

お兄さん思いだし。

ムーンそのものだった。




後日、あたしたちはお姉ちゃんの彼氏で彷徨くんのお兄さん・皇紀くんに会ったけど。

会話もしたけど、ムーンくんのイメージは全くなかった。

チャラくて、でも裏表のない、お姉ちゃんにピッタリな彼氏だと思った。




「そういえば、もうすぐ?」

<そうだね>



路線図を見た彷徨くんが、電車の中であたしにケイタイを見せてくれる。






< 118 / 123 >

この作品をシェア

pagetop