叶う。 Chapter1

/違う自分






それが私にとって、良いことなのか悪いことなのかは私にはわからないけれど、だけれど笑った私を見た和也はなんだかご機嫌だった。

そんな和也の姿に、私も少し嬉しかった。

その後は凛が目覚めたら気まずいので、私は和也から離れてテーブルにお菓子を広げた。

和也は離れようとした私に、少しだけ名残惜しそうに触れていたけれど、直ぐに私の後について並んでテーブルの前に座った。

一緒にお菓子を食べながら、和也が最近嵌っている海外ドラマについて色々と教えて貰った。

和也も凛と同じで、色々なことの表現がとても上手い。

だからとても楽しそうにその映画の見所を教えてくれたので、私はすっかり興味が湧いてきた。


私は密かに、今度こっそりその映画のDVDを買いに行こうと誓った。

なんだか凄く楽しくて、気付いてみたらもう午後の3時近い時間になっていた。

そろそろ学校も終わる時間だし、ピアノの時間も近づいていた。


和也は相変わらず寝ている凛を強引に起こして、私達が出かけることを伝えた。

凛は寝起きで不機嫌だったけれど、明日はちゃんと学校に行こうと約束して、家に帰って行った。

「じゃあ、かなうまた明日ね!」

「うん、また明日。」

そんなささやかな約束が、とても嬉しくて仕方ない。






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