引き金を引いたのは
「まあ、あいつもプライドあるからさ、このことは聞かなかったことにしといてやってね、成瀬、きっと橋本には話すと思うから」

そう言って、南は自転車に乗って帰っていった。









「あれ、絢音、今日学校じゃないよね?」

教室の外で待ってたら、成瀬が出てきて声をかけてきた。

「うん…いや、昨日の夜、悪かったなーって思って…」

「え、ああ、いいよ、俺も急に誘って、悪かったな」

「ううん……もう、断らないから」

「ん?」

「もう成瀬の誘いは、断らないから!夜中でも、朝早くても駆けつけるから!」



あ、しまった、調子に乗ったかも。

成瀬、きょとんとしてるし。


「あ、べつにお呼びじゃな」
「言ったな?」



「その言葉、よーく覚えとけよ」


イタズラに笑った成瀬に、不覚にもドキッとしてしまった。


「じゃあ、早速、ちょっと小腹空いたから、なんか食べに行こうぜ」

「お安いご用♪」

「絢音のおごりな」

「えー、それとこれとは違うー」



第6話へ続く
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