結婚してください

・・披露パーティ


その週末は私たちのお披露目パーティが行われた。


私と英輔は沢山の方から祝福を受け挨拶周りをしていた。


この時久しぶりに会った英輔の父親はこの結婚をとても喜んでいた。


何故、こんな普通の家庭の娘との縁談に悦ぶのか理解できない。謎めいたことだとしか考えられない。


それにしても、英輔のお義父さんはお若い。藤堂家のしきたりで嫡男は18歳で入籍することになっている。だから、多分、若い時に英輔が生まれたんだろう。


そう考えると、私も・・・・この藤堂家の跡取りとなる子を産むのが私の務め?


それ・・・無理っ。


絶対に無理っ・・・・  跡取りってことは、英輔とそういうことになるってことよね?


それって死んでも無理だわ。


第一、未だにキスどころか手を繋いだことだってないのに。


そんなの困るよ!


「どうした? 気分でも悪いのか? 亜紀?」



え・・・と、今変なこと考えていたから顔が赤いはず。


ダメ・・・・こんな顔見せたらなんて言われるか。困るよ。


「おい、亜紀?」


英輔に思いっきり嫌な態度を取ったと思う。顔を背けただけでなく体まで背を向けて。きっと誤解したんじゃ・・・・


誤解も何も・・・そうよ。愛華さんがいるじゃない!


英輔には恋人がいるんだから。


ドラマでもあるよね? 妻に子どもが出来ないと、愛人に産ませるって。


これは使えるかも?!





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