結婚してください

「プラネタリウムを3日間貸せないことはないですよ。
ただし、条件があります。」


そう、俺は亜紀を手に入れなければならないんだ。


俺の女でありながら俺の女にはなりたがらない。


この女を俺の意のままに動かす為にはどうしたら良い?


俺は万策尽きたと思っていた。


しかし、これは絶好のチャンスだ。 今度こそ亜紀を逃がさない。


「条件ですか? あの、いったいどういった事でしょう?」


「そこの藤堂亜紀を、私の妻を3日間 私に返してもらえませんか?」


お前は俺から逃げられないことを思い知れ。


俺が今どんなにお前のせいで苦しめられているのか知るがいい。


社交界で恥の上塗りをさせているのはお前だ。その責任はとってもらう。



「藤堂? 妻?」


サークルのメンバーが騒ぎだした。 いったい誰のことだと。


藤堂という名前のメンバーはいないのにという顔だ。


「亜紀、どうする? お前次第だぞ。」


亜紀は驚いた顔をしている。勿論山崎も内心穏やかではなさそうだ。


それもそうだろう。3日間、妻を返せとはそういう意味も含む。


同じ男だ察しはつくだろう。

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