隣の席の苦手なキミと




それからしばらくすると、私の家に着く。



家までずっと無言だった。




「い、家ここなんだ。」




私がそう言うと会津くんはパッと手を離した。


温もりが消えた手に少し、少しだけ寂しく感じてしまう。





「手を繋いだのは奈々のためだ。本当はおまえとなんて繋ぎたくなかったから。」



会津くんはそう言い放ち、私に背を向けた。



「おまえなんて…嫌いだから。じゃあな。」



会津くんはそう言って帰っていった。



……私だって嫌いだし。会津くんのこと。



心の中でそう思っても、どこか傷ついている自分がいた。





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