Hello Again
01.出逢い
恋に憧れて生きてきた。

地味で引っ込み思案で、人見知りな私だったけれど。

いつかきっとステキな人に廻り合えるって、信じていた――――


*Hello Again*

01.出逢い


高校の入学式。

大半の新入生と違って、私は酷く憂鬱な気分だった。

新学期が怖くて、ため息すらつけないほど体を固くして、震えている。

中学の友達が恋しい。

こんな場所でうまくやっていける訳なんてない。

見知らぬクラスメイト達をちらちらと見やりながら、悲観的に涙を浮かべていた。

教室内はどこか緊張した雰囲気で張り詰めているが、それでいて弾んだ声で騒然としている。

彼らの瞳は新生活を期待して、翳りも何もなく、ただ純真に輝いていた。

その中で、小さくなって俯いているのはわたし一人だ。

人に話しかけるのが怖い。

何と言って話しかけて良いのか分からない。

拒絶されたらどうしよう。

上手く話せなかったらどうしよう。

友達になってくれなかったら。

周囲では連絡先を交換したり、自己紹介をする声で溢れていた。

『ねー、名前なんていうのー?』

『LINE交換しよー』

『どこ中出身?』

『最寄りどこ?』

『部活何入ってたー?』

わたしはじっと俯いている。

友達なんて、とても出来そうになかった。

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