初恋の君は俺を忘れてしまいました。

うざいんだよ

Said kou


沙菜を門の前で下ろし、先に行かせた。


いつも、靴箱で待っていてくれるが。


自転車のカギをとり、駐輪場を出る。


正直、沙菜がいないと周りが気になってしょうがない。


沙菜と一緒にいればあんまり見てくるやつはいないし、なにせ、俺は沙菜のことでいっぱいいっぱいになる。


沙菜は・・・俺のことどう思っているのだろうか。


中学の時も俺は少しずつだが、アピールしているつもりだった。


だが、鈍感な沙菜はなかなか気づかない。


本当は朝も苦手だ。


沙菜と登校しなければ少なくともあと十分は寝むれる。


でも、この朝の二人での時間を逃したくないと思い、俺は毎朝、迎えにいくようになった。


靴箱まで行くと、沙菜の姿が見えない。


というか、いない。


(どこ行ったんだ?)


あたりをきょろきょろと見回していると、後ろから声をかけられた。


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