それでも愛してる。
✩最終章・1✩

届け ー愛菜ー






「愛菜?」


やっと口を開いた。
沈黙が辛かったぞ…。


「何?」


少し離れて
お互いの顔が見える位置に来ると
太陽は頭を下げた。


「ごめん。愛菜。
俺こそわかってなかった。」


そうしてまた頭を上げる。


「それと、まだ今すぐに
愛子の事を忘れて愛菜と付き合うなんて
出来ない。」


振られてしまった。


「でもさ、俺ー…。
愛菜の事もっと知りたい。
もっと一緒にいたい。

やっぱりこれじゃダメかな?」


そうやってやっと笑顔を見せてくれた。


「たく、もう勝手にどっか行くんじゃないよ。


まぁ、どこまでだって探しに
行ってあげるんだからいいけど…。」


恥ずかしくなり
語尾は消えたけど太陽は
ちゃんと聞いててくれた。




< 103 / 115 >

この作品をシェア

pagetop