『難恋』~アイツと私とあの人の三角関係~
プロローグ
《12月10日》


~ピローン~

携帯が鳴る。

咲蘭は首を傾げながら携帯を手に取った。

(こんな時間に何だろう?)

もう12時をまわっている。

携帯を開くと、どうやらLINEの通知がきているようだった。

相手は村上修司。
中1の時にクラスが同じで知り合って、
中2でもまた同じクラスになった相手だった。


『好きです。付き合って下さい。』

咲蘭は衝撃を受けた。

告白されたから、と言うわけではない。

咲蘭は小学生の頃から男女共から好かれていて、こんなことはしょっちゅうある。

ただ、相手が問題だったのだ。

咲蘭の好きな人は宮崎健で、
村上修司は宮崎健の親友なのだ。

(どうしよう……)


咲蘭は心を決めて指を動かし始める。



―――そして、送信のボタンを押した。


『ありがとう(^^)
でも実は、好きな人がいるんだ。
だから、付き合うことはできません。
気持ちはすごく嬉しいよ。
これからも友達でいてくれると嬉しいな。』


よく口論をする相手に対しては、
いくらか口調が柔らかすぎたかもしれなかった。
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