インナーチルドレン(かわいい金魚番外編)

変化する心

女性は、じっと、手の中の純の絵を見つめていた。

幼い頃の、少女の絵。


「……そう、ですね。私、逃げていたのかもしれません」


女性を見上げていた少女が、涙を、拭う。


「今の仕事。悪いこと、ってわかっているのに、逆らえなくて。会社のためには必要なんだ、って言われて。……また、子供の頃のように、いじめられることが、怖くて」

女性は、顔を上げて、純に笑いかけた。

「でも。自分の心に正直に、やってみようと思います」


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