【完】GAME OVER
あの日から、今の俺が出来上がった。
笑わない、泣かない、弱さを見せない。
無の男が、完成した。
「湊人」
「っ、」
「──ごめんな」
泣くのは、ミヤのことだけでいい。
「っ……みや、」
「湊人?」
ふ、と。
意識がはっきりする。
「み、や……?」
「どうした?顔色悪いぞ」
「……ううん、大丈夫」
あれ、どうなってるんだっけ。
千夜ちゃんを迎えに行ったミヤが帰ってくるまでに自室へ行って──そこから記憶がない。