【完】GAME OVER



「あ、じゃあ、帰りますね。

すみません、長居しちゃって」



「全然大丈夫だよ。

ま、とりあえず証拠は出すから、それまでの間だけ我慢してね」



「っ、はい」



佐々木さんの言葉に、頷いて。



席を立ち上がったときだった。



「──千夜」



低くて、落ち着いた優しい声が、私を呼び止めた。




「南、さん?」



「送ってく」



「え、でも、」



「こんな夜中に出歩いてたら危ねぇだろ。

傘下の女に何かあったら困るからな」



「……わかりました」



私のせいで、彼らを困らせるわけにはいかないから。



素直に頷くと、南さんは優しく頭を撫でてくれた。



< 19 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop