セルフィシュラブ




「……」



何も言わないのか言えないのか。人が変わったように一気に言葉を吐き出した私を月岡先生は呆然と見下ろす。


驚愕したようなその表情にスッキリして、ふんと顔を逸らして歩き出した。


月岡先生が追いかけてくる気配はない。逃げ切れた。どうにか逃げ切れた。


それにしてもよく頑張った。イケメンふしだらで最低な先生を前に私はよく戦った。逃げずに頑張った。





――――――――…



廊下を歩く私を見つめる2つの目には気付かず。



「…変わった子だなあ」



染み染みと23歳の男が壁にもたれて腕を組んで感想を述べていたことなんて思いもせず。


目をつけられてしまったことなんて誰が予想しただろうか。



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