夜空の琥珀
 
「――私は、城ヶ崎が学校に来てくれて嬉しかったんだよ」



 小声で囁くと、城ヶ崎の動きが止まった。



「部活に来てくれないのは寂しかった。でも話しかけてきてくれたとき、私すごく嬉しかったのかもしれない」



 口は悪いし、会えば口論突入。

 仏頂面で怖いし、全然合わないって思ってた。


 だけど私はどこかで、心を許していたのだ。


 ――ならば私は、そんな彼を傷つける人に立ち向かわなければならない。



「誤解されるのが悪いだと? それはあんまりじゃないか?」


「事実を口にしたまでだ」



 事もなげに言ってのける男子生徒。

 ……この人も、遠藤さんたちと同じか。
 
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