夜空の琥珀

亀裂

 
「『そうだね』って、言って欲しいの?」



 予想とはまったく外れた答え。

 いつもの若葉くんだったら、こんな、相手を推し量るような言葉は言わない。

 不安が芽生えた。

 彼は薄く笑う。



「……僕には言えないよ。言ってあげられない」



 その言葉は、思考を完全に停止させた。

 呆然、といった表現が正しい。


 なんで……どうしてこんなときに笑ってるの。



「僕は……」


「もういいよ! ごめん、私間違ってたみたい。聞かなかったことにして」
 
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