夜空の琥珀

友だち

 
 剣道場の一件で結局遅刻してしまった私は、大人しく先生に怒られることに。

 遅刻理由は適当にはぐらかせたけど、クラス中の視線を浴びる、息苦しい午後の授業だった。



「さあ、部活部活ー!」



 1日のうちに何があったとしても、終わりよければすべてよし!

 鼻歌を歌いながら荷物をまとめていると、若葉くんが教室に戻ってきた。

 放課後になるなり、担任の土屋先生に呼び出されたのだ。



「お帰りっ! 先生なんて?」


「今日1日の様子と、部活はどうするのかって聞かれた」



 何てタイムリーな質問!



「若葉くん、ズバリ何部に入りたいですか!?」



 手にマイクを持ったフリで、リポーターの真似事をしてみる。

 インタビューされた若葉くんは腕を組み、しばらく考え込んでいたけど、思い浮かばないみたいだ。
 
< 42 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop