課長さんはイジワル2
「悪かったな、安田。昨日はありがとう」

「いえ……。俺こそお役に立てて良かったです」


私達が席に着こうとしたとき、安田が追い駆けてくる。


「あのっ!佐久間課長!俺、今度、桃太郎信金さんに玉(ぎょく:ここでは債券のこと)を持って行きたいんですけど、どう仕掛けていけばいいかアドバイス頂けませんか?」

「桃太郎信金さん?ああ……あそこの運用担当者は確か……」


課長と安田が立ちながらトークを始める。

安田が熱心に課長のアドバイスに耳を傾けている。



私はそぉ~っとその場から離れて当番を始める。



時折、二人の間から笑い声なんかも聞こえてくる。

安田ってば、いつの間にか課長になついてる。

聞いてる目も真剣そのもの。



なんか変な感じ。






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