課長さんはイジワル2
そうだった。

今日は同棲初日。

私たちにとって特別な日だったんだ。

かろうじて動き始めた頭だったけど、課長のキスの猛攻に、再び頭が真っ白になる。


「ベッドに……行く?」

「う……」


『うん』と答えかけたところで、玄関の扉がガチャリと開く。


えっ?

驚き、体を起こす。


よ、吉田さん!!


「あ、ごめん。ケータイ忘れた。失礼」


吉田さんが私たちの横をすり抜け、大股でリビングに入って行き、「あ、あった」とケータイを掴むと、また大股で玄関に戻ってくる。


「お邪魔しました。じゃ、ごゆっくり」


吉田さんは何事も無かったように、一礼すると玄関から出て行く。


「まじかよ……」


課長が額に手を当てうなだれる。







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