課長さんはイジワル2
「久し振り。ちなみに、おれ、『主任』じゃなくて、課長に昇格したんだけど……」

「あっ!そうなんですってね!おめでとうございます!佐久間主任、じゃなくて、佐久間か、かち、かちょ、う」

「何、噛んでんだよ。でも『主任』とか言われるの懐かしいな」


課長はすごく嬉しそうだ。

こんな課長の顔、初めて見る。


「ママ~、このおじちゃん、だぁれ~?」


諒が二人を見上げる。


「ああ、この人は、ママの元上司でパパのお友達の佐久間さん」

「アクマ?」

「いやいやいや、違くて。さ、く、ま、さん」

「ア~、ク~、マ~、たん!?」


諒が顔を真っ赤にして一生懸命発音する。

プーーーーーッ!!

いいぞ、諒!

そうだ!

悪魔だ、悪魔。


ナーイスネーミング!


笑っている私を、いつの間にか悪魔が腕を組んで見下ろしていた。





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