約束ラバーズ

夕方の匂いがする。

外は明るいがもうずいぶんと時間が経った。


おかしい。

見に行こうと腰を上げた瞬間。



カタン、

下駄箱の下に敷いてあるすのこが鳴る。


『本山君。』


金山さんがそこに立っていた。


逆光していて表情は読めない。

「…亜希は?」




『本山君は…、


笠寺さんの事が好きなの?』


僕の質問には答えない。

< 66 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop