ぎゅっと抱き締めて、そっとキスをして
程なくして、二人がよく一緒にいるところを見かけることが多くなって。
そうして、私のコイゴコロも花開くことなく終わったんだ。

なんだか悔しくて、あのチョコよりもずっと美味しいチョコを彼氏にあげるんだ、と。
あんまり器用ではないけれど、お菓子作りを頑張った。

でも、それから二年目も、三年目も。
彼氏ができてもサヨナラが続いてしまって、手持ち無沙汰なバレンタイン。
友チョコに義理チョコを作りまくって、配り回った。



そして、一つだけ、それらとは違うチョコも、作ってしまった。
毎年、家の前までいってはチャイムも鳴らせずに結局家に帰って私の胃袋に収まっていくそれ。
その分、想いが自分のなかに積み重なっていくようだった。


でもそれも、今年で、終わらせる。




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