Snow Noise
ああ、そうだ、――――。
何だかいろいろと思い出してきた。
病気のせいで臣君は感情に波があることを知って、私はその病気を自分なりに理解しようと本を読んだりネットで検索したりしたんだ。
知れば知るほど臣君の症状と一致する。
比較的落ち着いていることがほとんどだから、周りの人は病気に気付かない。
私がそばにいて支えてあげたら、―――。
そんな甘い考えが浮かぶくらい、臣君はいつも穏やかだったし私には優しかった。
「クリスマス、どうする?」
「璃奈と一緒にいられたらそれだけでいい」
「じゃあ、パーティーしよっか」
キッチンに二人並びながら、臣君がお皿を洗って私がそれを拭いて。
何気ない日常の、安らかなひと時がたまらなく幸せに感じた。
臣君の部屋のリビングにツリーを飾り、クリスマスカラーのランチョンマットを買って。
パーティーの準備は滞りなく準備されていたのに。