恋するキオク



春乃が何も言わないままに泣くから、私はそれが止まるのをずっと待ってた。

そしてしばらくすると、春乃はただ「よかった、よかった」って私に抱きついて。



「春乃、なんで泣いてるのか、私にはよくわかんないよ」


「陽奈ぁ〜。私…今度は絶対に味方するから…、応援するからっ」


「……?」



なんだろう。

でも否定はしてないみたい。



ちょっとホッとした。



大事な親友。

絶対、失いたくないもん。




それから私は、春乃に今日あったことを話した。

米倉くんが言ってくれたことと、それに対する私の気持ち。

嬉しいけど、やっぱり迷いもあって。



「行っていいのかな」


「当然でしょ!なんで行かないのよ」


「でも省吾に悪いかなって」


「それはそうかもしれないけど…。だからって、陽奈は行きたいんでしょ?」


「うん…」



本当は、ほとんど行く方の気持ちに決まってたのに。

建前なのかな。

一応、悩んでみるなんて。



「とにかく今日はおごるからさ。部活の帰りにお好み焼きやさん行こうよ」


「あ…、ごめん。最近ちょっと食欲ないから」


「えーっ、体調悪いのぉ?」




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