氷狼ーこんな世界でもきっとー
四章ー新たな事実ー
そのまま、何時間たったのだろう。
いや、本当はまだ数十分。下手したら
数分しかたっていないかもしれない。
けれど、時間の感覚が解らなくなるほど混乱して
とても動く気にはなれなかった。

甘和「あ、氷河!もーどこに行ってたの!?捜したよー!!」

突然、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
振り返ると気絶していたはずの甘和が此方に駆け寄ってきていた。

氷河「甘和!いつ目覚めた!?」

甘和「・・・・は?なに言ってんの?氷河」

・・・・は?

甘和「いきなり消えたと想ったら、頭打った?」

氷河「消えた?消えたのは甘和の方じゃ…」

そこまで言ってハッとし、ようやく今の段階を呑み込めた。
いや正確には納得せざるを得なかった。
ボロボロになってたはずの校舎は見てみれば
いつも通りの状態だったし割れたはずの窓だって
きちんとガラスが張ってあった。

氷河「…夢?」

いや、夢にしては出来過ぎだ。想い出すだけでも悪寒が
背中を伝う。リアルか、それとも夢か。どちらにしても
悪い予感がしたのは確かだった。

甘和「…大丈夫?」

氷河「ああ・・・・多分」

甘和「頭冷やす?はい。」

氷河「ちょっと待てなんてもんを投げようとしてるんだお前は」

はい。といって甘和が出したものは握り拳2個分の氷だった。
そして此方に向かって精一杯投げようとしている。

甘和「え?氷だよ?」

氷河「それはわかる。そうじゃなくて、俺が聞いてるのは
   なんで投げようとしてるかってことだ」

甘和「うーん…好奇心?」

氷河「その好奇心でお前は1人殺す気か」

甘和「イヤァ~それほどでも~」

氷河「誉めてねぇよ」

甘和との可笑しいやりとりで、俺は考えるのをやめた。
そうだ。きっと悪い夢だ。そう自身に思い込ませた
深く考えても仕方ない。悪い夢だ。うん。そうだ。

甘和「そういえば屋上は?行こうよ!」

氷河「はいはい」

甘和の問いかけに適当に返事をしながら俺達は
屋上に向かってまた歩き出した。








?「あれが××と××の持ち主・・・・」

?「そうだよ…じゃあ、あとはよろしくね…××」
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