Ri.Night Ⅰ 【全完結】
12.二度目


────…



鳳皇の傘下が襲われたあの日から、早くも一週間が過ぎた。



あの日を境に、何故か姿を現さなくなったblade。


そのお陰であたし達の生活は落ち着きを取り戻したけど、何だか腑に落ちなくて。


まぁ、鳳皇自体が警戒してたというのもあるんだろうけど、それでも納得出来ない部分が多々あった。



それに、オカシイのは鳳皇だけじゃなくあたしにも言える事で。


“あの日”から、あたしの身の回りも静かになった。



もしかしたらイジメみたいな事が起こるのかと身構えていたけど、階段から落とされるような事もなかったし、机の中に手紙も入らなくなった。



やっぱり中田側の誰かがあたしを落としたのだろうか?


でも、そうだったとしたら理由が分からない。

突然止めてしまった理由も。



考えても考えても結論は出なくて。


謎は、残ったまま。












「りーのーちゃん!着替えに行こー!」


「あっ、次体育だったんだ!陽、また後でね」



次が体育だという事を思い出して、「バイバイ、またあとでね」と陽に手を振って妃奈の元へ駆け寄っていく。



「ごめん妃奈!行こっか!」


「うん!」




「凛音ー、西上ー、頑張れよー!」


「頑張る頑張るー!って、陽も体育でしょ!サボったらダメだよ!」



満面の笑みで手を振る陽にそう叫ぶと、返事の代わりに微妙な笑みが返ってきた。


そんな陽を見て、「サボるね。あれは」と肩を竦めるあたし達。



もう、留年しても知らないからね!

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