永遠の涙
第一章

振り向かない彼。

『おまえまた男と話しただろう!』

彼が怒る理由は異性と話しただけ。

なぜかは自分でも分からないがこんな彼を私は愛している。

本当に自分でも分からない。

「アレは、友達が手紙渡してって言われたから渡しただけでほかに何も話してないよ!」


そう言ったってどうせ信じてくれないことは分かっている。



『何でおまえはそう、友達を助けるのかなぁ?俺が怒ると分かっているなら断ればいいだろう!!!』



彼の一言一言で私の心はずたずたに引き裂かれる。




どうしてこんな彼を好きになってしまったのだろう。

付き合い始めたころは全然こんなことなかったのに・・・




毎日たまっているストレスを私は涙を流し後悔することによってなんとか乗り越えてきた。







私が彼を知ったのは高校に入学して間もない頃だろう。


彼はひときは目を引く存在だった。



『ねぇ~3組の松田君かっこよくない?』

「うんうん。でも2組の上田君もかっこいいよ!」


毎日そんなことを友達と喋ってすごしていた。


別にそんなに美人でもブスでもない、ちょうど中間あたりの女をかまってくる男子がいないのは初めから分かっていた。


だけど、青春というものの真っ只中にいる私は今“男チェック”にはまっていた。


男チェックとはただ単に男を観察し、情報をへてそれを興味を持っている女子へ売りつける、詐欺のような遊びだった。


男チェックのためなら男子トイレにまで侵入するほどはまっていた。


『ねぇ~岡田さん。下川君の情報が欲しいけど、調べてくれない?』


依頼がきたら好きな食べ物からパンツの柄までなんでも調べるのが男チェックのモットーだ。


「どんな情報が欲しいの?」
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