あたしの恋愛事情






学校に着いた時には息が上がっていた。


たぶん体育館にいるはず……



まだ誰もいない静けさの学校。


でも、体育館に近づくにつれて
ぼそぼそと声が聞こえる……っっ


「っっ!」


俺が体育館について中を見た瞬間


俺の目に飛び込んできたのは、
隆が、華蓮の手をとっておでこにキスをしているシーン。

くそっ。

まじかよ。

先越された。


そのまま隆はこっちに向かってくる。

俺のことには気づいてないみたいだが。


「ぁ…」

体育館の出口のところで、俺を見つけた隆は小さく声を漏らす。

「わりぃな、俺、華蓮に言ったから。」

腹立つけど、隆は満足した顔をしている。


「じゃあな、」

隆は俺を通り過ぎて歩いて行った。

おそらく、”言った”てのは、好きってことを伝えたんだろうな。

そっと華蓮がいる体育館をのぞく


華蓮はその場に座り込んで真っ赤な顔でおでこをおさえてる。

何あかくなってんだよ

そんな顔、すんなよ。


そう思うと勝手に体が動いてた。


「華蓮っっ」

俺の声が体育館に響く。

「しゅっ愁!!」

俺を見て慌てる華蓮。

「なんっでぃんの!」

「お前こそ、なんで早く行ってんだよ」

「そっそれは…」


まだ顔の赤い華蓮は下を向いてこっちを見ない。

たぶん言い訳を考えてんだろうな。


そんな華蓮を困らせたいって思う俺はおかしいのかな。

「おでこ…」


「えっっ!??」


おでこって言っただけなのに思いっきり顔を上げる。

「おでこになんかついてんぞ、」


「あっそっそゆこと!」

焦っておでこをさする姿も可愛く見えてしまう。

「うそ。おでこにキスされてただろ。」

「///!!みっみてたの??」

また真っ赤になる。

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