人々はそれを恋と呼ぶ
一歩一歩







生徒たちはまだ登校して来ていない早い朝


寒い廊下も、火照る身体から体温を奪うのを遠慮しているみたいだ。




地学資料室のドアをノックする

「おはようございます三年の空野です ....揖斐谷先生 いらっしゃいますか?」



「入っていいよ」



その声にドキリと体が跳ねる

普段の会話の時より少し低い先生の声



恐る恐るドアを開けた


「気圧計お借りしてもいいですか?」

大好きな人の姿



< 5 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop