2人だけの秘密。


「!」



その声に、ビックリしてそこを振り向くとそこに立っていたのは、あたしと同じく遅番で出勤してきた絵里奈で。

絵里奈は更衣室の中に入ると、あたしを気にしつつ自分のロッカーを開けた。

そんな絵里奈に、あたしは慌てて言う。



「絵里奈、どうしよう!あたしの制服が無くなってる!」

「…えっ」



あたしがそう言うと、絵里奈が少しびっくりした様子であたしのロッカーを覗き込む。



「…昨日持って帰って、忘れてきたとかじゃないの?」

「違うよ!昨日は持って帰ってない!」

「じゃあ…盗まれた?」



絵里奈はそう言って、首を傾げた。


…なるべくならそういうことは考えたくないんだけど、もうそれしかないよね。

それに最近は特に、夏木さんや吉河さんと上手くいってなかったから。



でも…どうしよう。

会社の制服だから、見つからないとマズイ。


それにこういう日に限って、今日は修史さん…いや、柳瀬店長は出張で留守だ。

…あ、だから今日盗んだのか?



「…あたし、ゴミ箱とかに捨てられてないか見てくるよ」



絵里奈はそう言うと、すぐに更衣室を後にした。


…あたしも、何としてでも探し出さなきゃ!




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