2人だけの秘密。



実は、あたしの夢には昔から定期的に“知らない男の人”が出てくる。

その人は彼氏の広喜くんとは違ったタイプで、

広喜くんは見た目チャラくてうるさい元気な感じだけど、

夢に出てくるその人は、少し大人で落ち着いていて、誠実な感じの人。


夢に出てくるようになったのは、あたしが中学三年生の頃からだった。

その頃は半年に一回のペースで出てきていたのに、

広喜くんと付き合うようになってからは、週に2~3回のペースで出てくるようになった。

今まで現実では全く逢ったことのない人だから名前すらも知らなくて、

それなのに夢に出てくる時には決まって毎回「愛してるよ」って言われて、その後にキスをされる。


……こんなこと、広喜くんには絶対言えないし言うつもりもないけど。




だけどあたしが現実で心の底から好きなのは広喜くんだから、

こんな夢…別にどうってことはないし気にする必要はない。



「いただきます、」



寝室からリビングに移ると、あたしは独りそう言って昨日コンビニで買った菓子パンの袋を開けた。

ちなみにそれは、昔から大好物のあんパン。

あたしはいつも朝はコンビニの菓子パンを食べている。



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