2人だけの秘密。
絵里奈はあたしにそう問いかけると、じっとあたしの返事を待つ。
一方のあたしは、まさかそんなことを聞かれるなんて思わなくて、一瞬思考回路が停止した。
でも……
「…つ、付き合ってないよ!何でそんなこと聞くの、」
あたしは絵里奈の問いかけにそう否定をすると、ブンブンと首を横に振る。
…そう。まだ付き合ってはいない。
ただ、告白をされただけ。
あたしがそう思いながら否定をしたら、絵里奈が言った。
「あれ、付き合ってないんだ?あたしはてっきり昨日のアレで付き合ってるのかと…」
絵里奈は何やら意味深にそう言うと、
「……ま、付き合ってないんならいっか」
と、そう言ってその場を後にしようとする。
だけどその絵里奈の言葉が気になったあたしは、そんな絵里奈をすぐに引き留めて言った。
「え、何なの?昨日アレって!」
…何かあたし、誤解を招くようなことしたっけ?
あたしがそう言うと、絵里奈がくるりとあたしの方を向いて言った。