【完】狂犬チワワ的彼氏


龍也 side



駅で拓海さんを見送ったあと、俺は真っ直ぐ家に帰った。

玄関で靴を脱いでリビングに行くと、そこには誰も帰って来ていなくて。


…智輝さんは出掛けてるのか。


俺はそう思うと、静かなリビングのソファーで寝転がった。

…あの二人がいるとこういうことは出来ないから、一人きりの家は凄く落ち着く。



でも…




ガチャ




「ただいま~」


「!!」



次の瞬間、早くも誰かが家に帰ってきた。


…早いな。


俺はその音を聞くと、すぐにソファーから起き上がる。

そしてリビングの入り口のドアを見遣ると、帰ってきたのは智輝さんで。



「おかえりなさい」



俺がそう言うと、智輝さんは俺を見るなり顔をキョトン、とさせた。



「は?お前、何で帰ってきて…」


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