domino
 繰り返し、繰り返し、あの声は聞こえてきた。どんどん、どんどん大きくなって聞こえてきた。いつの間にか完全に僕の意識と入れ替わっていた。
 手に今まで感じた事のない感触が伝わってくるのがわかった。柔らすぎず、堅すぎず、何ともいえない不思議な感覚だった。さっきまで感じていた痛みが引いていくのがわかった。でも、何が起きているのかはわからなかった。相変わらず僕は真っ赤な世界にいた。
< 153 / 272 >

この作品をシェア

pagetop