domino
 あの声が教えてくれた通りの名前がそこにある事に驚きが隠せなかった。おまけに、頭の中に浮かんできた漢字まで全く同じだった。名前の隣には、“22歳”、僕より4つ年下だった。
 そこでハッと我に返り、慌ててコンビニを飛び出した。彼女が出て行った方へとにかく走った。でも、彼女の姿が見えなくなった後で、例え、彼女を捜しても見つかるようにはとても思えなかった。。
 しかたなく、僕はコンビニに戻った。そして、事情を話し店員に定期券を渡した。そのまま立ち去ろうとすると店員が話しかけてきた。
 「すみません。店長に報告しないといけないので、一応連絡先を教えてもらえますか。」
 僕は店員に渡されたメモ用紙に自宅の電話番号を書き、店を去った。
ビールは買い忘れていた。
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