満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


翔平さんのサポートもあり
私は医者として初めてお産を経験した。


分娩室から出ると
康太が待っててくれた。


私の格好をみて、一瞬
ギョッとしたけど


『まだ、入れないから……もう少し』


初めての姪っ子を見たいのだとおもっていたけど、康太は違う言葉を発した


「大丈夫か?6時間だぞ?結衣っ……ったく、あぶねぇ……フラフラじゃねぇか」


私がフラついてるのを、抱きしめてくれる


『……康太……お産って凄いね……』


今までは、妊婦さんの汗を拭いたりさすったり、話しかけたりと、妊婦さん側に居たから知らなかったんだ


『私が出産するときは、立会いにする』


私が言うと、康太は苦笑い。


「少し、休むか?」

『うん……ってか、シャワー浴びたい』


なら帰るぞと、私を抱えて
翔平さんに聞こえるように帰ることを伝える康太。

私は康太の運転が心地よくて
寝てしまった。
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