嗤わない月の下で
「熱いなぁ・・・」

夏の残暑の残る日、営業の帰りだった。

シャツがべたべたで気持ちが悪い。

月が見える、もう暗いのに熱気がたちこめていた。

周りを見ると同じ様なサラリーマンが歩いている。

しきりに時計を気にして、まるで不思議の国のアリスのウサギだった。

ハンカチで汗を拭う。
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