嗤わない月の下で
「じゃあ、煮物をもう一つ、このハムカツはお母さんの自信作なんですよ」

いろいろ取り合いをしていると、お互いの弁当箱が空になった。

満腹になったところに彼女がお茶を持ってくる。

当然、梅干し入りだ。

そのお茶を飲みながら課長はあーだとか先輩はどーだとか、世間話に花が咲いた。

ずいぶん久しぶりに人と話をしている気がする。

私のはった壁をいとも簡単に彼女は壊してしまった。
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