あたしはそっと月になる
「樹里は可愛いんだから、彼氏作ればいいのにさぁ‥‥。もったいないじゃん」



実夕の言葉に苦笑いのあたし。



「無理、無理!!あたし、可愛くないし、実夕みたいに性格も良くないしさ。いいなって思う人全然いないもん」



そしてまた‥‥あたしは心の中に封印するんだ。



こうやって、誰にも伝えないまま。



「そっかぁ。いつか現れるといいね?樹里の理想の人。あたしはとりあえず、潤を頑張ろうかなぁ♪」



あたしのこの矢口潤への気持ち‥‥。



この想いさえ‥‥‥。



出来る事なら、今、この場ですべて『消去』してしまいたい。



そしたらどんなに楽なんだろう??



「うん。頑張って……」



「樹里、応援しててね!あたし頑張っちゃうからぁ♪」



実夕の顔をまともに見れないまま、



小さく頷くあたし。



「うん‥‥」



これが現実。



あたしの現実。



嘘つきで臆病なあたし………。



どうしてあたしはこうなんだろう………。









< 8 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop