[短編]初恋を終わらせる日。




きっとそれだけ君に私が見えてない証拠なんだよね。

君が嘘をつく時の瞬きの癖も、笑うと右側にだけ出来る笑窪も、私は君のことなら何でも知ってるつもりなのに、君は一体いくつ私のことを知ってるんだろう。





「そばにいたら、いつか優也くんは私のことを好きになってくれると思ってた」


「僕はさっちゃんのことーー」


「やめてよ!!」




もう嫌なの、聞きたくないの。

君がその先の言葉を紡ぐ度、酷く虚しくなる。


いつまで私を騙そうとするの。

一度だってちゃんと騙してくれたことなんてないのに、どうして、気付かないフリをする私に安心して騙し続けようとするの。


騙し続ければ、嘘もつき続ければ、いつか本当になるの?

私は君の恋愛対象になって、ちゃんと好きになってくれるの?



……ならないじゃん。

そんな日、来ないじゃん。





「優也くんは、どうやったって私を見ようとはしないじゃない」






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