幻想館ーシンデレラ編ー
シンデレラは、ある日を境に、バッタリ出掛ける事をやめてしまった。



城の中に書斎を造らせ、一日中書物を読んでいた。



書物の中には政治や経済などが含まれていた。


その合間をぬって、シンデレラはある伯爵と密会を重ねていた。


その密会が愛情を求めるものだったのか政治的意図があったのかは定かではない


シンデレラは王子が仕事に縛られるのは無能な大臣達のせいだと考えるようになった。



そこでシンデレラは王政の会議に顔を見せた。


今まで王妃が王政に口出しする事はなかった。

しかし、シンデレラは自分の意見を王子や大臣達にぶつけた


大臣達もシンデレラの意見がもっともな事を言っているので困り果てていた。



王子様との意見の対立は、二人の心まで離れていった。



やがて、王子様は何年か前のシンデレラのような女性を求めて、次々に女性と逢瀬を重ねた。



シンデレラは愕然とした。



「私が望んでいたのは、こんな事でななかったのに・・・」



シンデレラは怒りというより、悲しみに包まれていた。



たった一人、私の理解者であると思った王子様・・・・・・。



シンデレラの優しい眼差しは消えていった。
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