好きなんです!


私が話し出すまで急かすことなく愛梨は待っていてくれている。
少ししたところでいい加減話そうと決心がついた。

「私ね優馬のこと、好きになった…。」

愛梨の顔を伺うと驚いたような、切ないようなそんな顔をしていて不安になってきた。
もしかしたら愛梨も好きなんだろうか。


「びっくりした。優馬を?あいつチャラいじゃん。彼女作る気ないみたいなこと言ってなかった?」

「彼女作る気はないみたいだから告白はしない。フラれて気まずくなるの嫌だし。」


「いいの?ずっと友だちってことだよ?」

「告白しても恋人になれるわけないし、いいの。」


そっか。と愛梨はそれ以上何も言ってこなかった。
それからはじゃあ歌おうとたくさん歌を歌って今の気持ちを消すようにはしゃいだ。

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