好きなんです!

2



2人に手を振り売店を目指す。
後ろを歩く優馬をチラッと振り返るとちょうど目が合った。

恥ずかしくなり慌てて逸らすが、それがかえって気になったようで隣に並び顔を見られる。

「どーした?ちゃんと着いてきてるか不安だった?」

なんて少しふざけて笑う優馬に膨れながら答えた。

「別に。優馬チャラいからその辺の女の子にナンパしないか確認しただけ。」

ああ、なんて可愛くない言葉。
そんなこと思ってないのについ口から出てしまう。

なんで素直になれないんだろう。
そんなんじゃ絶対好きになってもらえないのに…。


「ハハッナンパね。さすがに紗綾いるのにしねーよ。でもチャラいのは確かだなー!」

笑ってるけどキズ付けたのは分かる。
だっていつもみたいじゃない。
ほんとに楽しくて笑ってる顔じゃないから。

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